眼科後期臨床研修プログラム

眼科後期臨床研修プログラムの詳細

1. はじめに

医学部を卒業し、医師免許取得後2 年間の初期研修終了後に、眼科卒後後期研修プログラムに入る。日本眼科学会専門医は、厚生労働省の定める卒後臨床研修(2年間)終了後、日本眼科学会専門医制度規則施行細則に定められた研修内容を満たす4 年以上の眼科臨床研修を終了した者が筆記試験、面接試験を受けて認定される。当施設は日本眼科学会専門医制度認定施設(認定番号1085)であり、当施設の後期研修プログラムはこの4 年間の眼科専門医臨床研修に則ってすすめられる。

 

2. プログラム指導者

札幌医科大学附属病院眼科長 大黒 浩

 

3. 研修期間

眼科専門医臨床研修コース: 後期研修4 年間

 

4. プログラムの概要(プログラムに参加する関連施設の概要を含む)

プログラム終了後、速やかに眼科専門医試験に合格し、眼科専門医となることを目標に眼科領域一般の知識、技能の習得に努める(眼科専門医臨床研修コース)。後期研修1 年次は、札幌医科大学附属病院眼科において進められ、指導医の指導の下で、外来では、診断学、治療学、検査手技、病棟では主治医として疾患管理、手術を含めた治療学を学ぶ。2 年次から4 年次までの間は原則として2 年間を、プログラムに参加する当科関連施設において、その施設に所属する眼科専門医の指導の下に臨床研修を行う。指導医のいない関連施設での研修は札幌医科大学付属病院眼科スタッフドクター(認定専門医、指導医)が手術、検査等に定期的に赴き、適切な指導を行う。また、2年次から4年次までの間の原則として1年間は、札幌医科大学付属病院眼科において専門外来をもつ臨床グループをローテートし、最先端の診断法、治療法を研修する。なお、大学院への進学を希望する者に対しては、それまでの研修内容、研修期間を勘案し、適宜、入学を許可する。

 

5. 研修目標

(1) 一般目標

【1】医師としての患者に対する心構えや態度の修練とともに、眼科専門医として必要な知識と技能を習得することを目的とする。

【2】社会人としての自覚を持ち、医の倫理に基づいてチーム医療を行うことを習得する。

【3】患者およびその家族との人間関係を円滑にし、十分なインフォームドコンセントのもとに診療を行うことを習得する。

【4】医療に関する法律を熟知する。

【5】眼科臨床に必要な基礎的知識を習得する。

【6】眼科診断、ことに検査に関する技能を習得する。

【7】眼科治療(手術を含む)に関する技能を習得する。

 

(2) 行動目標(習得すべき項目)

【1】眼科診断技術および検査法 視力、視野、眼底、眼位、眼球運動、両眼視機能、瞳孔、色覚、光覚、屈折、調節、隅角、眼圧、細隙灯顕微鏡検査、涙液検査、蛍光眼底造影、電気生理学的検査(網膜電図、視覚誘発脳波)超音波検査、OCT、画像診断(眼底造影、超音波、OCT, X 線、CT scan、MRI 等)。

【2】眼科治療技術

1) 基礎的治療手技(点眼、結膜下注射、球後注射、涙嚢洗浄、ブジー、霰粒腫切開等)

2) 眼鏡およびコンタクトレンズの処方

3) 伝染性疾患の治療法および予防法

4) 眼外傷の救急処置

5) 急性眼疾患の救急処置

6) 眼科手術法、手術患者の術前および術後処置、管理の習得。

ア) レーザー手術(網膜光凝固術、白内障術後後嚢切裂術、虹彩切開術)を執刀する。

イ) 翼状片手術、眼瞼下垂手術、眼瞼内反症手術、斜視手術、白内障(眼内レンズ挿入)手術を執刀する。

ウ) 緑内障手術、硝子体手術、網膜はく離手術を執刀もしくは助手として参加する。

 

【3】 カンファレンス、学会発表等

1) 週1 回の抄読会、画像(CT, MRI)カンファレンスへ出席し、発表、症例提示を行う。

2) 各専門外来(火曜日:斜視外来、水曜日:緑内障外来、木曜日:眼底外来、金曜日:神経眼科外来)のカンファレンスへの出席。

3) 学術集談会(北海道医学大会)、全国学会、国際学会において症例報告、研究発表を行う。

4) 学会発表内容を論文にまとめ、医学雑誌(和文および英文)に投稿する。

 

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